口内炎と口腔がんの関係

こんにちは!

佐久市の歯医者 竹内歯科医院 院長の竹内勝泉です!

今回の”歯の豆知識”は、「口内炎と口腔がんの関係」についてお伝えします。

 

口内炎から口腔がんになると心配される方がいらっしゃいます。

まず口内炎について解説します。

口内炎はお口の中の粘膜にできる炎症の総称で痛みや不快感から生活の質を低下させます。

ストレスや疲れが溜まって抵抗力が低下したときになどにできやすくなり多くは数日~10日ほどで自然に治ります。

口内炎は、アフタ性口内炎、外傷性口内炎、ヘルペス性口内炎、カンジダ性口内炎に分類されます。これらのうち、最も多く見られるのがアフタ性口内炎です。

口内炎の原因には、免疫力の低下、栄養障害、ストレス、疲労、睡眠不足、口唇や頬粘膜を咬んだときや虫歯などで歯がかけて尖った部分が粘膜に擦れたりするなどの慢性的な刺激、ウィルス感染などがあります。

 

口内炎がすべて口腔がんになるわけではなく、口内炎がある日突然口腔がんになるわけでもありません。

口内炎の中でも細胞増殖に異常が起きて、極めて稀にがんになる潜在能力を有したものが口腔がんになる可能性があるのです。

潜在能力をもった口内炎が口腔がんになるには、必ず前癌病変という状態を経ます。そこから口腔がんになるには5年以上の長い年月がかかります。

前癌病変の状態から必ず口腔がんになるわけではなく、そのまま変化しないこともあります。

とはいえ、繰り返し口内炎になる場所では絶えず細胞の増殖と修復が行われているので細胞に異常が起きる可能性が高まります。つまり口内炎ができるようなお口の環境を放置するのはあまりよいとはいえないのです。

 

口腔がんの早期発見には

  • 前癌病変にいち早く気付く
  • 気付いたらそれががんにならないか経過を観ていく

この2点が重要です。

前癌病変の顕著なサインは、粘膜の「白」と「赤」の変化です。粘膜の細胞が過剰に増殖した結果、形や色が変化して見えるのです。

代表的な前癌病変は、

粘膜が白く変化する「白板症」

これは代表的な前癌病変で舌や頬粘膜などのお口の粘膜に見られます。3~5%ががん化する可能性があります。

粘膜が赤く変化する「紅斑症」

舌や歯ぐき、その他のお口の粘膜にできます。鮮紅色で平らで滑らか。約50%ががん化するとされています。

前癌病変が見つかった場合は、がん化を確認したらいち早く対応できるように、定期的に経過を見守る必要があります。少なくとも3ヵ月に1回は、歯科医院で経過を診てもらうようにしましょう。

今後も竹内歯科医院は歯周病や虫歯、歯並び、予防歯科などみなさんにとって役に立つ情報をどんどん発信していきます。