うっ!しみる!それは知覚過敏かも PART2

こんにちは!

佐久市の歯医者 竹内歯科医院 院長の竹内勝泉です!

今回の“歯の豆知識”は「知覚過敏の治療法」について

では早速いきましょう!!

 

(1)再石灰化を促す

知覚過敏症は、軽度なものでは期間が経過すると自然に消失することもよくあります。これは象牙質の露出部において、唾液や歯みがき剤からの再石灰化成分によって、象牙質の微細な空隙が封鎖されてくるためと考えられます。露出した象牙質は歯みがきでも痛みを感じやすくなっていますが、歯みがきを十分に行わないとプラークが付着します。プラーク中にはむし歯菌がいて、酸を作りその歯の表面を溶かしています。再石灰化とは逆の脱灰という現象です。こうなると知覚過敏はむしろ悪化することも考えられます。知覚過敏の改善にも歯みがきはとても重要です。

(2)歯の神経の興奮を抑える

知覚過敏は歯の神経が刺激を受けて、痛いという信号を中枢に送ることで人間は痛いと感じます。この神経の信号を送らせないようにする、つまり神経を興奮させないという治療法もあります。これは歯の神経の周囲をカリウムイオン(K+)が多く取り巻いていると神経の細胞が興奮しにくくなるということを利用したもので、歯みがき剤に硝酸カリウムという成分を含ませて、この歯みがき剤を継続して使うというものです。

(3)象牙質の露出部分の内部の空隙を封鎖する

露出した象牙質の内部の小さな空隙を、歯と同じような成分の結晶や、その他様々な物質で封鎖することで、歯の神経への刺激の伝達が遮断されて、知覚過敏をなくすことができます。そのための材料を歯科医院で塗布する方法の他、歯みがき剤でも結晶の形成を促進する成分を含むものがあります。歯科医院で塗布する方法の方が歯みがき剤による方法よりも効果が高く即効性もあります。

(4)象牙質の露出部分を被覆する

知覚過敏のある象牙質表面を被膜で被覆することで知覚過敏をなくすことも可能です。この場合には接着材を用いて樹脂による薄い皮膜を形成するのが通例です。この方法にも即効性があります。象牙質表面がすり減っていたり、酸で溶けていて凹みがある場合には、その凹み部分の形態を回復させるようにして象牙質表面を被覆します。

(5)神経を取り除く

知覚過敏は一過性の痛みですが、痛みの持続時間が比較的長いような場合や、その痛みが非常に激しい場合には、歯の神経に炎症などの変化が起きていることも疑われます。できれば歯の神経は温存すべきですが、生活に支障が出るようであれば、歯の神経を取り除く治療をすることもあります。知覚過敏の確実な予防法はありません。健康な歯肉でも加齢によってある程度歯肉が退縮することは避けることができません。歯の根部の象牙質の露出を防ぐには歯周病の予防に努めることと、歯肉の退縮が進みやすいような不適切な歯みがき法をしないことです。またプラークが付着した状態が長く続けば、歯の表面が酸により溶けて、知覚過敏が起きやすくなります。この場合にはむし歯も進行しやすくなります。

以上のことを考えれば、歯周病とむし歯の予防が、知覚過敏の予防につながりますね。

知覚過敏と同じような症状、すなわち冷たい水で歯がしみるといった症状は、むし歯がある程度進行した場合にもみられます。また歯に亀裂が入っている時にも、同じような症状がみられることがあります。このような症状のあるむし歯の場合には、早く治療をする必要があります。また、亀裂が入っている場合も早く対応することが大切ですが、残念ながらその歯を残せない場合もあります。ご自身では知覚過敏であるのか、むし歯などによる痛みであるのかは分かりにくいですから、早めに歯科医院で受診することをおすすめします。

私たちの願いはみなさまが「健口」であり続けることですので、このような有益な情報をどんどん発信していきます(^_-)