お子さんが矯正治療を受ける際の不安や緊張に対処する方法

矯正治療への一歩:お子さんの不安と緊張を和らげる方法

 

お子さんが矯正治療を受ける際、不安や緊張はよくあることです。しかし、これらの感情を理解し、和らげる方法を知ることで、お子さんの矯正治療への一歩がよりスムーズになります。お子さんの不安と緊張を和らげるための方法についてのアプローチについて解説します。

 

 

安心のスタートライン:お子さんの矯正治療に対処する心構え

 

1)親子でのコミュニケーションが重要です

歯科医師とはよく話し合って、お子さんの矯正治療に関する正確な情報を理解しておきましょう。歯科医師やスタッフらと様々なやりとりを通じて、お子さんの矯正治療のプロセスを理解し、安心感を得ることができます。

 

2) 矯正治療の大まかな流れについて、わかりやすい説明を

矯正治療が始まる前に、お母さんとお子さんに治療の大まかな流れと説明を行います。治療のステップや使用される機器について分かりやすく説明し、今後についての不安を未然に防ぎます。この時に、お子さんの不安を軽減させるよう、お子さんにもわかりやすい表現で、少しづつの内容に切り分けて話をすることで、お子さんにもゆっくりと矯正治療を理解できるようにサポートしましょう。

 

3)治療目標(ゴール)を設定して、お子さんと共有しましょう

お子さんには矯正治療の進み方や治療結果について、大人と同じくどのようになるか話をしておくことが大切です。歯並びの改善は時間がかかるプロセスであるため、焦らずにじっくりと、時間をかけて治療を進めていくものという理解させることが重要です。

 

 

緊張感ゼロで矯正治療のスタートを:お子さんの矯正治療開始に備える方法

1) 治療の開始前には短時間のリラックス習慣を取り入れてみましょう

大人でも治療は緊張するものです。人生経験の浅いお子さんにとってみれば、緊張感や不安感はなおさらでしょう。

毎回の矯正治療を受ける前には、短時間のリラックス習慣を導入してみましょう。深呼吸をしたり、温かい飲み物を飲んだり、好きな音楽を聴かせたりするなど、緊張を和らげる簡単な方法を取り入れます。お子さんが心を落ち着けることができ、診療室やスタッフといった治療環境に適応しやすくなるようサポートしましょう。

 

 

2)いっぱい褒めて、ポジティブな方向に気持ちをもっていかせましょう

お子さんが矯正治療に協力する際には、進み具合に応じて褒め言葉やご褒美を取り入れましょう。「よく頑張ったね」とか「ここを頑張ったら、この後は少し楽になるよ」など、このようにお子さんに自信を持たせることで、矯正治療へのモチベーションを高めることができます。

また、治療の最初のワイヤーとブラケットを装着する時期はとても大変な思いをするかと思います。その大変さを保護者もわかっていること、そしてよく頑張ったことを素直にいっぱい褒めてあげてください。

 

 

3)矯正治療の中にも遊びの感覚も取り入れてみましょう。

矯正治療は口内炎の対策は、毎食後の歯磨きなど、真面目に取り組まないといけないことが多々ありますが、それと合わせて、遊び感覚でとらえられるようなイベントもあると、お子さんのモチベーションがあがり、治療への反応が良くなります。矯正治療を楽しいものとして位置づけることで、矯正治療だけでなく、歯科診療そのものを受け入れるようにすることができます。

 

 

4)無理のない、かつ予測可能な治療スケジュールで

お子さんは、無理のない治療スケジュールであれば、その内容を受け入れやすくなります。矯正治療の大まかなスケジュールを事前にゆっくりとやさしい表現で伝え、それに沿って矯正治療を予定通りに進むことで、お子さんが安心感を持ちやすくなります。

 

 

5)予期せぬ状況への備えもしっかりと。

途中で治療が遅れてきている場合、時間がかかっている場合は、遅れていることの原因についてちゃんと説明しましょう。そこで大切なことは、ごまかす必要はありません。治療が予定より遅れているからといって決して悲観することはないこと、そしてこういう治療が予定より遅れることはありえること、そして今後どのようになるかということまでを説明することで、お子さんを安心させる、ということを意識しておきましょう。

 

 

6)矯正治療の進み具合を親子で共有しましょう。

矯正治療が進むにつれて、お子さんと一緒にその進み具合を共有しましょう。歯並びがどんどん変化していく様子や、今までの治療の成果を写真などで見比べるなどし、治療が進んでいることをわかりやすく理解させることで、前向きな期待を持たせることが大切です。

 

 

7)前向きな説明で期待感を持たせましょう

矯正治療の良い面や将来の美しい歯並びについて説明し、お子さんに期待感を持たせます。将来の笑顔に焦点を当て、今の矯正治療がその一環であることと捉えさせます。

 

 

8)治療環境の工夫

これは歯科医院に求めることですが、待合室や治療室をお子さんがリラックスできる雰囲気にすることで、治療に対する不安感を軽減できます。明るい色彩やお子さん向けのイラスト、キャラクターなどによるデコレーションを取り入れ、居心地の良い空間を提供しましょう。

 

監修 歯科医師 竹内勝泉