歯の豆知識 歯周病と全身疾患

こんにちは!
佐久市の歯医者 竹内歯科医院 院長の竹内勝泉です!
今回の豆知識は・・・
歯周病と全身疾患との関連性についてです。
歯周病は、歯周病菌によるところが大きいというのは、もうご存知ですよね。
まずその歯周病菌について説明します。
口腔内には約900種類!の細菌が存在していると言われています。
その中でも

Porphyromonas gingivalis(P.g菌) ポルフィロモナス・ジンジバリス
Tannerella forsythia(T.f菌) タンタネラ・フォーサイシア
Treponema denticola(T.d菌) トレポネーマ・デンティコーラ

この3種類の菌が歯周病にかなり強い影響を及ぼしているのです。
この3菌種を「Red Complex レッドコンプレックス」と呼んで
その総量が歯周病に大きな影響を与えていると言われています。

ピラミッド状の模式図をご参照ください。
この図は、歯周病への関連が高い順に分類してあります。
ピラミッドの頂点に位置するのが上記の3菌種なのです!

この菌そのものを調べるとなるとなかなか難しいのです。
顕微鏡で見てもそれが何の菌なのかは同定できません。
ですが当院ではリアルタイムPCR法と呼ばれる検査で調べることが可能です!

さてその歯周病菌はどこに多くいるかといいますと
歯肉溝(歯と歯肉との間にある溝)、歯周ポケット(歯周病が進行し歯肉溝がさらに深くなった状態)の中にいます。
つまり空気を嫌う菌なのです。

歯周病が進むと歯肉から出血しますよね!
つまり歯肉溝内、歯周ポケット内の毛細血管が破けた状態です。
そうなれば菌は破けた毛細血管から侵入し全身に巡るのです!!!
これを菌血症と言います!

このようにして菌が全身に運ばれ、様々な全身疾患のきっかけになると思われるのです!

よく言われるのが
歯周病に罹患している人は、冠動脈性心疾患のリスクが25%増加
歯周病に罹患している初産妊婦は、罹患していない妊婦に比べ早産や低体重児出産になる確率が約8倍
歯周病は糖尿病のリスク因子となりますし、糖尿病は歯周病のリスク因子となります。歯周病と糖尿病は深い相関関係があるのです。
現在では・・・
歯周病が高齢女性の発がんのリスクになると言われています。
また歯周病で関節リウマチを悪化させるとも・・・
さらに最新の研究結果では、歯周病がアルツハイマー病にも関係しているということが分かってきました。

たかが歯周病と思わないでください!
全身疾患の基になっているかもしれないのです!!

しっかり歯周病の予防、治療をしていきましょう!
いつまでもご自身の歯で健康を保ちましょう!
それが私たちの願いです!