歯の生え変わり

こんにちは!

佐久市の歯医者 竹内歯科医院 院長の竹内勝泉です!

今回の”歯の豆知識”は、前回に続いて歯の生え変わりについてお伝えしていきます。

なぜ小さい乳歯が生えていたところに大きな永久歯が並ぶのでしょうか?

永久歯は乳歯より大きいため、きれいに生え変わるためには、いくつかの条件があります。生え変わりの時期が早い下の4本の前歯では5mm以上、上の4本の前歯では7mm以上の幅が不足します。この乳歯と永久歯の大きさの差を補うためには、隣り合った乳歯間のすき間が重要です。元々乳歯の歯並びには生理的空隙(せいりてきくげき)と呼ばれるすき間がありますが、このすき間が少なかったり、閉じている場合は、永久歯の大きさを補い切れないため、うまく並ぶことができません。

生理的空隙に加えて、永久歯の前方への傾斜や、顎の骨を含めた歯並びの大きさの成長も、不足するすき間の大きさを緩和するのに役立ちます。

乳切歯の生え変わりから2年程遅れて生え代わり始める乳犬歯・第1乳臼歯・第2乳臼歯の3本の乳歯と、その下から生えてくる犬歯・第1小臼歯・第2小臼歯の大きさの差は、きれいな歯並びができるためにはとても重要な要素です。この側方歯群の大きさの差はリーウェイスペースと呼ばれ、特に、最後に生え変わる第2乳臼歯は最も大きな乳歯で、その下から生える第2小臼歯よりもかなり大きいため、生え変わりの時期に、ここの余ったすき間をうまく利用することで、歯並びの多少のデコボコは解消することができます。

また、第2乳臼歯の後ろ側の面は、第1大臼歯が生えるための誘導面となるため、上下の第2乳臼歯の位置関係に異常があると、その後ろの第1大臼歯のかみ合わせのでき方に大きく影響します。

さらに、唇や頬の筋肉は歯を外側から押す力となり、舌の筋肉は歯を内側から押す力となるため、これらの口の回りにある筋肉の働きのバランスも、歯がきちんと並ぶ要素となります。

以上のような色々なメカニズムが互いに作用することにより、小さな乳歯が生えていた場所に大きな永久歯が並ぶことができるようになるのです。

一般社団法人 日本小児歯科学会が、平成19~20年度にかけて全国規模で実施した「永久歯先天欠如の発生頻度に関する調査研究」の報告書によりますと、上下の歯並びとも、中央から2番目の側切歯と5番目の第2小臼歯が生まれつき欠如する場合が多いようです。歯種別では、下顎第2小臼歯の欠如頻度が最も高く、次いで下顎側切歯、上顎第2小臼歯、上顎側切歯の順に多く認められました。その他の異常としては過剰歯が4.49%で最も多く、特に上顎正中部では3.06%でした。

歯の生え変わりについてご理解いただけましたでしょうか。

竹内歯科医院はこのようなみなさまにとって有益な情報をどんどん発信していきます!