感染症対策!歯みがきが大事!

こんにちは!佐久市の歯医者 竹内歯科医院 院長の竹内勝泉です!

今回の”歯の豆知識”はウィルス感染予防対策”についてです。

ここのところ新型コロナウィルスの感染者が多くなってきていますね。現在の状況では収束するまでにまだまだ時間がかかりそうです。私たち人間は次々と出現する新たなウィルスに脅かされ続けています。今後さらに猛威をふるうであろう様々なウィルスに対して防御力を高めていく必要があります!そこで重要になってくるのが【歯磨き】です‼

ウィルス感染から身を守るための有効な手段として、マスクの装着、うがい、手洗い、十分な栄養、睡眠などが知られています。さらには【3密(密閉空間、密集場所、密接場面)】を避ける工夫が強く推し進められています。それらに加えウィルスに対する防御力を上げる方法としておススメなのが”ていねいな歯磨き”です。実はすでに100年前、スペイン風邪の世界的大流行の中で行われた調査から「お口の健康」と「ウィルス感染」についてなんらかの関連性があるのではないか?という指摘がされていました。その調査結果によると、歯周病になっていた人のスペイン風邪の罹患率は約70%で重篤になる人も多かったのに対し、歯周病になっていない人の罹患率は約30%。つまり統計的にみると約半数以下だったというのです。当時はなぜこのような大きな違い出るのかわかっていませんでした。しかし現在の研究では、危険なウィルスが体内に入り込む際に歯周病菌がその手引きをしていることが明らかになってきています。お口の健康とからだの健康の関わりについては徐々に知られてきていますが、お口の中の歯垢(細菌のかたまり)をていねいに取り除き歯周病を予防することが感染症予防対策になることの認知度はまだまだ低いかと思われますのでここでしっかりご理解いただけたら幸いです。

まずウィルスはどのように体内に入り込んでいくのでしょうか。

コロナウィルス、インフルエンザウィルスなどのウィルスはすべて生きた細胞に入り込まないと生き続けることができず、細胞の中でしか仲間を増やすことができないのです。ウィルスはお口の中に入ってきます。その際狙いをつけた喉の粘膜細胞のレセプター(細胞の膜にある受容体)に吸着すると、自分を包む膜と細胞の膜を一体化させてするりと内部に侵入し、自分の遺伝子を包む殻を脱ぎ捨てて細胞の中に遺伝子を放り込みます。そして乗っ取った細胞のたんぱく質やエネルギーを使って自分の遺伝子を増殖させていくのです。しかし粘膜細胞はそう簡単に乗っ取られるわけではありません。通常、喉などの粘膜の細胞は豊富な粘液で覆われています。ウィルスが細胞のレセプターに吸着しようとしても粘液が邪魔をするのでなかなか吸着できないのです。この機を逃さずガラガラうがいをすればウィルスを追い出すことができます。ただこの粘液による防御作用が弱くなってしまう場合があります。実はそこにかかわっているのが【歯周病菌】なのです!

今回はここまでです。次回は歯周病菌とウィルスの関係をお伝えしますね。