むせたらやばい?誤嚥性肺炎

こんにちは!

佐久市の歯医者 竹内歯科医院 院長の竹内勝泉です!

今回の”歯の豆知識”は「全身疾患と歯周病」の第3弾として歯周病が全身に及ぼす影響にについて考えてみたいと思います。

今回のテーマは「誤嚥性肺炎」です。

まず「肺炎」とはどんなものなのか簡単にお伝えしていきます。

肺炎は、細菌やウィルスが肺の奥にある“肺胞”に侵入して炎症を起こすことで発症します。

肺胞は酸素を血液中に取り込む一方、二酸化炭素を血液中から排出する役割を担っています。

この肺胞に炎症が起こると酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかなくなり呼吸が困難になってしまうのです。

さてここから本題の「誤嚥性肺炎」について。

高齢者の肺炎の大部分は誤嚥性肺炎と報告されています。誤嚥性肺炎は、本来なら【口➜食道➜胃】と入るはずの食べ物や唾液が誤って【口➜気管➜肺】に入ってしまうことが原因です。

誤って入ってしまう=誤嚥してしまうのは舌や口、喉の筋肉が衰えて飲み込む力(嚥下)が弱っているためです。

食事のときに頻繁にむせるというのは飲み込む力が弱ってきているということですので注意が必要です。

食べ物や唾液に含まれていた細菌やウィルスが肺胞で増殖して肺炎を起こします。

そして口の中の細菌の量が多いほど、誤って肺の入りこんだときに誤嚥性肺炎になりやすくなります。

歯周病は、炎症を起こしている歯ぐきの中で歯周病菌が増殖している状態ですから、歯周病を放置しているというのはたくさんの細菌を飼っているのと同じことになります。

専門家による口腔ケアで高齢者の誤嚥性肺炎が減ったという調査結果もありますのでお口の中の衛生状態は感染症に直結します。

歯周病になっているのなら速やかに治療し、普段から歯みがきに時間をかけしっかりていねいにおこないお口の中の細菌量を減らすことで誤嚥性肺炎の予防につながります。

ちなににある調査結果をお伝えしておきます。

介護老人保健施設の入居者のうち、自分の歯が残っている高齢者について、専門家によるお口のケアを受けているかどうかで発熱・肺炎の発症率や死亡率に違いが生じるか分析したところ、お口の中が清潔に保たれている高齢者ほど発熱と肺炎の発症率も死亡率も低いということが明らかになりました。

歯周病は予防と治療が可能な病気です。からだの健康のためにもリスクの放置はよくありませんね。

次回は母親が歯周病だった場合、おなかの中の赤ちゃんに及ぼす影響についてお伝えします。