お口も衰える?オーラルフレイル 2

こんにちは!

佐久市の歯医者 竹内歯科医院 院長の竹内勝泉です!

今回の”歯の豆知識”は「オーラルフレイル」についての第2弾です!

第1弾で、ひとり暮らしや孤食の人はオーラルフレイルになりやすいとお伝えしましたが、お口の機能を向上させるには家族みんなで気を付けることが効果的です。

オーラルフレイルは高齢者だけの問題ではありません。65歳を過ぎて衰えに気付いたとしても、それまでの食習慣や行動を変えるのは困難です。ですので、できるだけ子供のうちから将来オーラルフレイルにならないような生活を心がけていくのが望ましいですね。

そうです!子どもの頃からお口の機能を高めておくことが重要なのです!

日本では学校教育が終わると、歯科検診も終わります。その後の歯のメンテナンスは個人に委ねられていて大学や専門学校に進学して親元を離れたり、就職して日々忙しくしている20歳代では、歯のメンテナンスがおろそかになり将来オーラルフレイルになっていく素地を作っていくことになります。

そうして30歳、40歳、50歳と年齢を重ねていくうちに、おろそかにしてきたお口の機能はどんどん衰えていきます。そして高齢者になったときにオーラルフレイルとなり要介護や寝たきりになる確率が高くなっていくのです。

最近の子どもたちの食生活について懸念されていることがあります。それはあごの発達不足です。

現在、様々な啓蒙活動によって親世代の意識が高まり子どものむし歯はかなり減りました。その一方で硬いものを食べることが減っている子どもが多くなり顎から顔の発育不足が顕著になってきています。

最近の子どもたちの顔は、顎が細くてイケメンや美人さんが多いです。エラの張った子どもを本当に見なくなりました。

顎が細いと見た目は良いかもしれませんが、歯並びにも影響し噛む力が衰え健康な食事ができないリスクがあります。

顎は、身体の中で唯一左右対となる二つの関節がセットで一つの働きをする箇所です。噛むという上下の動きのみならず、食べ物をすりつぶすための左右の動きができる関節なのです。

ところが最近の子どもたちは柔らかいもの食べる傾向にあるため顎が発達していきません。

柔らかい食べ物はすりつぶす必要がないので左右の動きを行う必要がなく顎を左右に動かす筋肉が発達しないのです。

そして前歯を使わない子どもも多くなってきました。前歯を使うことでお口の周りの筋肉が鍛えられ顎だけでなく顔自体も正常に発育していきます。

このように軟食傾向にあるため最近の子どもたちは給食の食べ残しが多いようです。これは食べ物の好き嫌いが多いというだけでなく食べ物を噛み切れないことも原因のようです。

すりつぶして食べる必要のある食材には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なものが多く、こういった食べ物を摂取できないと将来の生活習慣病のリスクが非常に高まります。そして幼い頃から偏った食事をして過ごす今の若い世代は将来早いうちからオーラルフレイルに陥る可能性が高くなってしまいます。

子どものうちからしっかり前歯を使って噛み切る、奥歯を使って砕いてすりつぶすという機能を高めていくことが重要ですね!